店長日記
国土学 峠
最近 国土学 に関心を持っています。
大石 久和 先生 の本や、講演などを聞いています。
国土強靭化などを理解する上での基本でもあり、日本国、日本人
を知ることにもつながります。
ユーチューブの「大石久和のオンライン国土学ワールド」という
番組で「峠」についての話がありました。峠という漢字は日本が作ったもの
で、繊細な感性を見出すのは日本独特の文化であるようです。
そこで思い出したのは、山形県 出身の詩人 真壁 仁 の
峠という詩です。これは私がとても感銘を受けたものです。
峠 真壁 仁
峠は決定をしいるところだ。
峠には訣別のためのあかるい憂愁が流れている。
峠路をのぼりつめたものは
のしかかってくる天碧に身をさらし
やがてそれを背にする。
風景はそこで綴じあっているが
ひとつを失うことなしに
別個の風景にはいってゆけない
大きな喪失にたえてのみ
あたらしい世界がひらける。
峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい。
みちはこたえない。
みちはかぎりなくさそうばかりだ。
峠のうえの空はあこがれのようにあまい。
たとえ行手がきまっていても
ひとはそこで
ひとつの世界に別れねばならぬ。
そのおもいをうずめるため
たびびとはゆっくり小便をしたり
摘みくさをしたり
たばこをくゆらしたりして
見えるかぎりの風景を眼におさめる。
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考えてみると、年越しで正月を迎えるのも峠を越える
のと似ているようです。皆様 よいお年をお迎えください。
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